海の向こうで、書く書く然然

海外から見た日本、日本から見た海外 ー 2つの視点からのつぶやき

スピード運転とアタシ

  私は車の運転が嫌いだ。私生活上、マイカーなしではできない活動をしていることから、やむを得ず車を所持して運転しているが、この活動をしていなければ公共交通機関で十分と思っている。知らない道を運転して迷ったり、慣れないエリア周辺の交通法規を知らずして違反した結果に捕まったりするのも嫌だし、私に限ったことではないけど、ハンドルを握れば、よそ様をケガさせるリスクもあるからだ。

 前の車と安全な間隔をわざと保って運転しているのに、その間隔に入り込んでくる車などに、イラっとくる自分も好きじゃない。むかーっとなった顔の私を見て、オージー夫は「入れてあげればいいじゃん。ちみがスピード落として、また間隔開ければいい話でしょうに」と静かに言う。オージー夫は常に極めて穏やかで沈着冷静、道路上でもそれは同じだ。かつて運転手を職業としていただけにドライブ好きだし、運転も上手。2人でどこかに行く時は、よっぽどなことがない限りオージー夫にお任せ状態。しかし今回は日本に1人で来ているので、そうはいかない。

 ドライブ嫌いな私は、運転を始めると自然に「目的地に早く着きたい!」と思ってしまう。どうやらそれがスピード運転との因果関係のようだ。遠い昔、スピードを出して運転する私を見たオージーの友達に「お前はレッド・フット」と呼ばれた。なんだ「Red Foot」って?「赤い足」?

 「フェラーリ―やポルシェは『速い』というイメージがあるから、それで『Red Foot』か。かっこいいあだ名をつけてくれちゃってぇ!」とニヤついたら、まったくの聞き違い&勘違い。友達は「Lead Foot」と私に言ったんだって。

 「の足」?なんじゃ、そりゃ?あとで辞書で調べると鉛のついた足をアクセルに乗せて運転する姿から、「車を無謀にぶっ飛ばす人」のことを指す言い回しだそうだ。げ~ぇ。女性なのにそんなイメージを持たれたくない、と思って、この一言だけで、私の右足についていた百貫ほどの鉛は十貫ぐらいに減った。

 十貫の足になってから10年以上経つが、それでもオーストラリアの隠しカメラで10~20キロオーバーを3回取られている。すべて知らない町を運転している時だ。まさにこれが運転嫌いの理由だ。3回目はさすがに頭に来たので、警察様から届いた切符を縮小コピーしてパウチし、ハンドルにつけた。これなら否応なしに見るし、常に感じるでしょ?「2度とするもんかっ」って。日本の車にも同様の仕様を施してある。

自己流スピード違反再発防止装置。でもこの頃、その効果も落ちているような・・・。

 オーストラリアのスピード違反は、点数も反則金も日本より高く、かなり厳しい。日本とわたしの本拠地オーストラリアクイーンズランド州の比較を見るとよくお分かりいただけると思う。累積による免停は、日本は複雑なようですが、オーストラリアは3年間で12点に達すると処分の対象となってしまいます。

 

★☆もなもなによる日豪スピード違反の罰比較<2022年6月現在>☆★

■日本(一般道路の場合)■

15㎞/h未満・・・・・・・・・・反則金9000円 減点1

15㎞/h以上20㎞/h未満・・・・・反則金12000円 減点1

20㎞/h以上25㎞/h未満・・・・・反則金15000円 減点2

25㎞/h以上30㎞/h未満・・・・・反則金18000円 減点3

30㎞/h以上35㎞/h未満・・・・・反則金25000円 減点6

35㎞/h以上40㎞/h未満・・・・・反則金35000円 減点6

40㎞/h以上・・・・・・・・・・反則金でなく、簡易裁判で罰金が決まる

 

オーストラリアクイーンズランド州の場合)■

13㎞/h未満・・・・・・・・・・反則金183豪ドル(約1万7700円)減点1

13㎞/h以上20㎞/h未満・・・・・反則金275豪ドル(約2万6600円)減点3

20㎞/h以上30㎞/h未満・・・・・反則金459豪ドル(約4万4300円)減点4

30㎞/h以上40㎞/h未満・・・・・反則金643豪ドル(約6万2000円)減点6

40㎞/h以上・・・・・・・・・・反則金1286豪ドル(約12万4100円)減点8+6カ月免停

 

 オーストラリア反則金の額が半端ないでしょ~。これを祝日やホリデー期間にやると、減点をにする州もあるんだからねっ。小中高等学校付近でやると反則金割り増しとかもある。シビアだよ、オーストラリアの警察は。先述の通り、私は何度も懐を痛めてきており、ほんと「No more」状態だ。 

 そんなオーストラリアの交通法規も、日本人から見ると、「なに、それっ?」って思う点もある。なんと、この国では堂々と「」が認められているんです。びっくりでしょ?

 下に張りつけたのは、オーストラリアのとある州の警察が公開していた練習問題のひとつ。1990年代に私が日本の免許から書き換えた際に受けた筆記試験でも同様の問題が出ましたわ。問題は「普通免許を持つ運転手に認められた体内血中アルコール濃度は?」で、答えは3択なんだけど「None」や「Zero」がない。まるで飲酒運転を奨励しているみたいでしょ?実際はしてないけどさ。

ある州の警察が出している運転免許筆記試験の練習問題のひとつ。質問は「普通免許の人に認められている体内血中アルコール濃度は?」」

 ちなみに試験で、一番低い「0.02%以下」と答えたら間違えで、点数もらえませんからねっ!正解は「0.05%以下」なんですよっ!

 0.05%というのは、ワインまたはビールを1時間あたり1杯だけ飲むに留めると、だいたいそれ以下に収まるらしく、そのペースさえ守れれば飲酒運転してもいいのよ、という理屈だそうです。日本人からすると信じられない法規だけど、「社交は文化のひとつ」として大切にするオーストラリアらしいわ。

 え~でもさ、その0.05%って大柄で肝臓めっちゃ強そうなオージーの体質からの数値でしょ?体の大きさ半分ぐらいの豆タンクみたいな私も1時間に1杯のペースで0.05%を守れるんかいな?同じペースで飲んでも倍の数値が出ちゃいそうだ、笑。

 

 ごめんなさい。話が飲酒運転に脱線しちゃったので元に戻しますわ。

 昨日は用事があったため、Y浜市から高速道路に乗って緑深い千葉県のある場所に行ったんだけど、道中で取り締まりを行う警察の多さに驚きましたわ。空覚えだけど、その数は、東京から千葉県に入った途端にアップしたような。

 高速道路の三車線の真ん中のレーンを運転していたんだけど、前の車があまりに遅くて、追い抜こうとするも今度は右側の追い越し車線がかなりの交通量。対して、一番左側の車線はすっかんすっかん。後続車もいないし、前も詰まっていないから「視界良好」でそのままさーっという勢いだった。

 そのエリアはなだらかな下り坂になっていてスピードも出しやすい感じだった。高速道路といえば100キロが最高速度でしょう。「それ行けっ!」状態だったけど、この日に限って、普段は鈍い動体視力が妙に冴えていた。800mぐらい先に2台の車が左の道路脇に縦列で止まっていたのに気づくと、2台のうち、前の車の右側がほんの一瞬だけ、赤くぴかっと光った。その車は普通に前に動き始めたんだけど、むむむ、さっきの「一瞬赤フラッシュ」は何だったんだろう?運転疲れによる目のかすみか幻想か?まぁいいや。

 後ろから猛スピードで私を抜いて行く車にもつられそうだったが、なぜかこれらの車もそのうちスピードダウン。すべてが怪しく見えた。

 そうこうしているうちに、例の車との距離が接近、そして、隣になってしまった。千葉のとある都市のナンバープレートを付け、黒いボディーのこの車の運転席には、青いシャツに紺のベストを着て、ヘルメットを被った人が乗っていた。あっ、これって覆面パトカー

 さらにきょろきょろ見渡すと、「80」の看板が目に入ってきた。あ、ここは80キロ区間だったのね、と後から気づいた。あの赤いフラッシュは幻想じゃなかったんだ。これが目に入ってこなければ、とろい車を追い抜いた時の100キロで進み続けていたかもしれない。知らない道を運転すると、やっぱりこういうことになる。ここで冷や汗をかく前後も普通のパトカーを数台見たし、高速下りて国道を運転していても、細い横道にバイクに乗った警察官が隠れていたりして、なんだか物々しい雰囲気だった。日本ってこんなんだったっけ?

 目的地で、知り合いの方にこの出来事を話したら、「黒塗りか白塗りのトヨタクラウン、さらにそのエリアのナンバーが付いたようなら覆面と疑った方がいいですよ」とアドバイスが返ってきた。その方は、流れや雰囲気で覆面パトカーがいるかも察知できるらしい。残念ながら私にはその透視力がないので、とりあえずは前が詰まってもイラっとせずに左車線キープで進むしかないのね、涙。これ以上、の足で不必要な献金を納めぬよう日本でも細心の注意を払わねば。

 

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